マリアージュ 〜神の雫 最終章〜 #129 「ふたりの料理人」
佐和子が明かすことのなかったワインの銘柄は、雫たちの人質です。
自発的に周が『麻婆豆腐』を作るのではなく、人質を取られているから、作るしか無いという展開。
個人的には、とても嫌な気分にさせられるお話でした。
銘柄を教えて欲しいと、懇願する周に対して…、
自分たちが作った「石膏豆腐」を使って、王大人を虜にした『麻婆豆腐』をもう一回作れと…
なんや、かんや、それらしい理由を付け、自分たちが正義だと、周を押し切ります。
しかし、100%自己欺瞞。
雫が周を思いやる気持ちや、感情移入は描かれていませんので…
詰まるところ、雫が勝負に勝つために、周を利用しようとしているとしか、読み取れません。
さらに、正解かどうかも解っていないワイン銘柄をエサにする、主人公に有るまじきダメさ加減。
真に周の事を思うのなら…
先に、周に雫が見つけたワインを飲ませる事。
その後に、周がもう一度『麻婆豆腐』と併せてみたいと、自ら「麻婆豆腐」作りを望み、そこで初めて、原島が手足となる事を申し出、「石膏豆腐」が入手不可能という状況で、自分たちで作るイベントが発生する… という展開が、人として正しくないですかねぇ…
もしかしたら、周はワイン銘柄を知ることで満足し、二度と「麻婆豆腐」を作らない決意を固める可能性もありますし、それ以前に、雫が持ってきたワインが間違っていた! なんて展開もアリですけど。(爆
これで、佐和子がワインの銘柄を明かさなかった真相なんて、ど〜〜でも良い話になってしまいました。(苦笑
これじゃ人間ドラマなんて描けるハズありません。 やっぱり「酔っぱらい上司の武勇伝自慢」です。
おまけにこの展開だと、佐和子が写真で自慢げに持っていたワイン… 雫はブルゴーニュだと断言していましたが、あれは、何だったのでしょう?
ローヌの、ほとんどの造り手を飲んだと豪語する雫。
「第三の使徒」の造り手である、ペゴ―のワインを見間違えた???
後半は、作者の取材に基づく、思い込み本格『麻婆豆腐』の作り方教室かと思いきや、材料が本場物であることの自慢と、周はスゲェ! 原島もスゲェ!で、スゲェカオス。 周の『麻婆豆腐』の作り方が、どれほど他とは違うのかは、サッパリ不明。 これなら取材なしでも描けます。
いつもどおり、「登場人物による登場人物の相互絶賛」が、大々的に開催されているだけです。
あと…
先週号でも気にはなったのですけど。
抜栓していないワインを嗅ぎ分ける雫が、目の前の食材が豆腐だと気づいた周を今週号でも絶賛しています。
食べて石膏豆腐であると見分けた味覚をも称賛。
これは逆に、作者は匂いも、食感や味も、にがり豆腐・石膏豆腐の区別が全く出来なかった事を、自ら暴露している事になりますよね。(苦笑
貧乏嗅覚+貧乏味覚 疑惑…
「澄まし粉」「すましこ」で検索すると、凝固剤による豆腐の香・味・食感の差が説明されています。
食べてみれば、もっと歴然としています。(笑
その差も判らないレベルで、ワインが語れる!!!
今週号で、一番スゲェのは、作者様でした。
今週登場したワインは。
シャトーヌフ・デュ・パプ・ルージュ・キュヴェ・ローレンス ドメーヌ・デュ・ペゴー
楽天のシステム変更により 2017年以前の記事内 登場ワインリンク は表示されません。
下記リンク先の一覧はスマホからも見やすくまとめていますのでご参照ください。
■ マリアージュ 〜神の雫 最終章〜
■ 怪盗ルヴァン
■ 神の雫
■ ソムリエール
■ ソムリエ
■ ドラマ神の雫
- 2018.03.22 Thursday
- コミック「マリアージュ 〜神の雫 最終章〜」
- 11:17
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結局、随分大昔の常識を持ってきましたね・・・
そもそも今回作者は石膏とワインのテロワールが同じって論法で麻婆豆腐とワインが合うって話で行きたいんですよね?
それがCNPってのはあまりにも乱暴すぎますね・・・
前出のclos des papesよりpegauってもっともっと南ですし、pegauの所有する畑だけでも、恐らく硫酸カルシウムも含まれるであろう中新世の土壌(これはda capoの畑です)や、鉄分を含む赤い粘土の畑(こっちがlaurenceにメインで使われる畑です)もある訳で、土壌からのアプローチでワインを語るには考証が無さ過ぎですね・・・
http://www.pegau.com/crbst_15.html
雫君(=スゲェ作者様)の
『ローヌの、ほとんどの造り手を飲んだ』
というセリフが、いかにローヌという産地を雑に捉えているかを良く表しています。