今週の「神の雫」 #438 「啓示」
第十二の使徒編 第44話
順当に次号最終回に向けてお話は収束していきます。
残り少ない回数を使って、目的の場所へ話を進めるわけですから。
今までの、ほとんど成り行きしか無かった進行と比べれば、明らかに作者の意図が感じられ、内容は充実しています。
ただ、今回のお話を読んであらためて思った事がひとつ。
やっぱり、この作者。
ど〜でも良い、細かいことを気にし過ぎる傾向が強いです。
自分のコミュニケーション能力に自信が無いのか、自らが語ることが好きなのか、とにかく語り過ぎです。
秋絵の送ったディケム'76に関して、藤枝に滔々と自分の思いを語らせ、第十二の使徒編のやり残しをキチンと収めている様に見えますが・・・
これ、無駄ですね。(爆
語りすぎて、感動もヘッタクレも無いです。
私なら、
「愛おしげにディケム'76をセラーへ収めようとする藤枝」
「セラーの中にある、もう一本のディケム'76」
「藤枝の頬を伝う一筋の涙」
この3コマで終わらせます。
早くも・・・ですが、「神の雫」を振り返ってみても同じことが言えると思います。
本物のワイン、それも良いワインと評されるものには、素晴らしい「余韻」が付き物ですが、「神の雫」の物語に「余韻」は微塵も無い。
あるのは、場当たりでかます「ハッタリ」の極めて短い「余韻」のみ。(笑
「心象風景」というものでワインを語るのは良いのですが、ダラダラと饒舌な自己主張の塊である「心象風景」で埋め尽くされたお話に、読者が介在する余地はありません。
そう、まるでワインオタクが、素人のカモを見つけ、延々と自らの知識をひけらかすあの場面のように。
ワインの敷居が高いと感じさせる、最悪のシーンを具現化したのが、この「神の雫」だったのではないか・・・ そう思えます。
「作風」・・・いや、作者自信が「ワイン」を語るには、あまりに未熟だったと。
そして、作者が今出来る最大の余韻の残し方。
それは、「神の雫編」を描かない事でしょう。
次号は6月12日発売「最終回」です。
今週登場したワインは。
楽天のシステム変更により 2017年以前の記事内 登場ワインリンク は表示されません。
下記リンク先の一覧はスマホからも見やすくまとめていますのでご参照ください。
■ マリアージュ 〜神の雫 最終章〜
■ 怪盗ルヴァン
■ 神の雫
■ ソムリエール
■ ソムリエ
■ ドラマ神の雫
- 2014.06.05 Thursday
- コミック「神の雫」
- 10:08
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> やっぱり、この作者。
> ど〜でも良い、細かいことを気にし過ぎる傾向が強いです。
> ・・・・とにかく語り過ぎです。
確かに、くどい、野暮ったい、燻臭いです。 二重強調によるくちベタな自己弁護に思えます。 それは、1990年代ボルドーのやたら鼻と舌にまとわりつく、田舎臭 ( 堆肥や肥料の垢抜けしていない ) たっぷりの高級ぶった赤ワインを思い出しました。 余韻にザラついたタンニン と 熟成にほど遠い青く未熟な完成度の低い超有名赤ワインをフォローするためになんとかこじつけて取りつくろうとする ソムリエやワインアドバイザーの言い訳コメントを思い出しました。
> 「作風」・・・いや、作者自信が「ワイン」を語るには、あまりに未熟だったと。
振り返って、思い出してみても、 『 名セリフ 』 、 『 名場面 』 が、自分にはハッキリと思い出せません。 そう言えば、主人公 や 登場人物と共に 共感し、何度も読み返したり、涙するようなエピソードが、正直 “ 無かった ” と言うのが本音です。 そこに ワインを登場させたが故に、かえって 白けてしまった、という感じです。
やっぱり、ワインと言うものは、その性質上、ワインオタクの知識をひけらかすだけで終わる、極一部のワインマニアだけに許された特権を持つお酒なのでしょうかね?